<韓国:医療>鼻から入れる脳炎ウイルス治療剤の開発
漢陽(ハニャン)大学のイ・サンギョン教授と米国エール大学の共同研究グループが、脳炎ウイルス治療効果がある「短鎖干渉RNA(siRNA)」を鼻から入れて治療し免疫機能を生成する手法を明らかにしました。
西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、ジカウイルスは髄膜炎や脳炎などを誘発し、免疫システムが弱い高齢者や乳幼児の場合、死につながる事がありますが、治療薬を脳まで到達する際に障害となる「血液脳関門」のため、治療薬の開発が難しく、まだ治療法が開発されていませんでした。
研究チームは、DNAの遺伝情報を伝達するRNAが非常に短いときに、特定の遺伝子の機能を遮断し、ガンなどの病気を抑制する「RNA干渉」に関連した研究を実施。脳炎にかかった動物の鼻から脳炎ウイルス発現を抑制するsiRNAを入れる事で、薬物送達を遮断する「血液脳関門」を迂回して、治療薬を脳に効果的に伝達したことを確認しました。
研究チームは、このように、鼻から脳へ薬物を送達する方式を用いれば、脳炎が進行した状態でも治療効果が得られ、免疫機能が生じる事を確認しました。これによって、再びウイルスに感染した場合にも、治療薬を投与せずに自己修復する能力を持つようになります。
イ教授は「今回の研究を通じて、これまでなかった脳炎ウイルス治療剤の開発が可能である事を確認した」とし、「霊長類の実験で、より効果的な薬物送達方法を見つけ、最終的に人を対象にした臨床試験で活用される薬物送達技術を開発する計画」と述べています。
今回の研究成果は「Cell Host & Microbe」2018年3月30日号に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年3月20日付け内容)
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