<韓国:生命科学>視覚情報の感度を調節する網膜神経細胞の役割が明らかに
KAISTのキム・ジンウ教授の研究チームは、視覚情報の感度を調節する網膜神経細胞「アルファ(α)型アマクリン細胞」と、その動作原理を発見したことを明らかにしました。
これまで、網膜の光受容細胞が光を検出して、その光に適応する仕組みについては知られていましたが、検出された光の情報を脳に伝達する網膜神経細胞の光信号処理(強度調整)については研究されていませんでした。
研究チームは、目の発達に核心的役割を果たす遺伝子「Pax6」が、アマクリン細胞と呼ばれる特定の網膜神経細胞でのみ観察される点に注目し、Pax6の選択的発現と、その理由を明らかにするための究明を行いました。
その結果、Pax6遺伝子発現部位の一つ「α- 調節部位」に結合する転写因子「Lhx3」と複合体を形成する蛋白質「Tgfb1i1」を発見しました。
実験用マウスを用いて行われた研究でも、網膜に存在するタンパク質Lhx3とTgfb1i1が、「α- 調節部位」でのPax6の活性を妨げると、α型アマクリン細胞の生成が抑制されました。
そして、α型アマクリン細胞の数が減少したマウスは、通常よりも光を微弱に認識することが明らかになりました。
つまり、α型アマクリン細胞が多いと光に対する感度が高く、α型アマクリン細胞の数をコントールするのがLhx3とTgfb1i1ということになります。
(出所:韓国・ニュース1、2017年2月20日付け内容)
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