<韓国:医療>赤血球膜を用いた血糖値センサーの開発
高麗(コリョ)大学のユン・デソン教授の研究チームは、赤血球膜を血糖値センサーにコーティングした「スマート高選択性血糖センサー」を開発した事を明らかにしました。
既存の血糖測定器はブドウ糖の電気化学的反応を利用していますが、血液中のタンパク質・食品・薬物が、酵素とブドウ糖の相互作用を阻害するため誤差が大きいと言われています。
研究チームは、赤血球の細胞膜にブドウ糖だけを精密に吸収するブドウ糖輸送体が多数存在する事実に着目し、赤血球の細胞膜を用いて200ナノメートルの厚さのブドウ糖選択半透過性膜を作製しました。
新たに開発した血糖値センサーを用いて、誤差要因となる尿酸・ビタミンC・ガラクトースを含んだ状態で実験した結果、誤差が大幅に減少している事が確認されました。既存の血糖センサーの誤差は28.2%に対して、赤血球膜コーティングセンサーの誤差は2.6%でした。
ユン教授は「赤血球膜を模倣してブドウ糖以外の生体物質に反応しない高性能血糖センサー技術を開発した」とし、「細胞膜コーティングを利用した選択的透過技術はバイオセンサーだけでなく、薬物送達システムと組織工学の分野にも適用することができるだろう」と期待しています。
今回の研究成果は「Biosensors and Bioelectronics」に掲載されました。
(出所:韓国・電子新聞、2018年4月15日付け内容)
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