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水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:医療>クモの巣をヒントに、検出速度を20倍に高めたバイオセンサー

韓国の研究チームが、クモの巣をヒントにして、検出速度を従来の20倍に高めたバイオセンサーを開発しました。


大邱慶北科学技術院(DGIST)は、新物質科学専攻のキム・チョルギ教授の研究チームが、クモの巣を真似た磁性パターンを用い、検出速度を20倍に高めたバイオセンタープラットフォームを開発した事を明らかにしました。

バイオセンサーの感知能力は、センサーの分解能と、分析対象の分子(バイオ分子)の移動、そしてセンサーとの反応の速度で決定され、これまでナノ素材開発によって、その性能向上を目指していました。

しかし、分析対象となるバイオ分子がバイオセンサーに至るまでの移動を、拡散だけに依存していたため、その速度が遅く、センサー感知能力の向上に限界がありました。

キム教授の研究チームは、タンパク質・DNAなど、分析対象となるバイオ分子の移動速度が遅い欠点を解決するため、磁場を利用しました。

研究チームは、バイオセンサーの周囲にクモの巣形の微細磁性パターンを作りました。この磁性パターンは、超常磁性粒子(*1)と結合したバイオ分子をバイオセンサーまで移動させる事が可能となるよう設計されています。研究チームは、これをプラットフォームと呼んでいます。

研究チームは、このプラットフォームを用いて、バイオセンサーから遠く離れたバイオ分子を集束させることによって、低密度のバイオ分子の捕集能力を高め、バイオ分子の移動のみならず、バイオセンサーの検出感度も高めました。

研究チームのメンバーは、「超常磁性粒子がバイオセンサーの中心に向かって動くように設計されたクモの巣形の微細磁性パターンと、高感度バイオセンサーをプラットフォームに配置した」とプラットフォームの構成を説明しています。

また、「蜘蛛の巣状の磁性パターンに回転磁場を加えると、超常磁性粒子が付着したバイオ分子をバイオセンサーに素早く集めることができる」とし、「移動速度が速く拡散による方法よりも20倍高速に検出することができる」と、その効果を説明しています。

(*1)常磁性:外部磁場が無いときには磁化を持たず、磁場を印加すると、その方向に弱く磁化する磁性のこと。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年4月13日付け内容)
(参考:wikipedia)
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