<韓国:生命科学>ホヤを参考にして海水から金を抽出
韓国海洋水産部は、浦項工科大学(Postech)のファン・ドンス教授の研究チームが、海水から栄養分を得るホヤを参考に、海水から金を抽出する技術を開発した事を明らかにしました。
ホヤは海水をろ過して栄養分を摂取する濾過摂食動物で、血液中の「ツニクローム(Tunichrome)」という物質が、海水から各種金属材料を回収する機能を有します。
しかし、ツニクロームは、血液中に極微量しか含まれてないうえ、容易に酸化する性質があり、今まで、抽出して使うのが困難でした。
この問題を解決するため、研究チームは、ツニクロームと同様の性質を持つ物質の研究を進めており、エビなどの甲殻類に多く含まれる天然高分子「キチン(chitin)」と木材産業の廃棄物から得られる「没食子酸(ぼっしょくしさん)」を化学的に結合して新たな物質を開発しました。
実験の結果、この物質は、海水の金を99%回収し、クロムを99%除去することが分かりました。
これまで海水から金属を回収するには、主に青酸カリや水銀、亜硫酸ガスのような毒性の強い物質が使用されていました。
研究チームは、今回開発した物質が環境に優しい原料から作られ、大量に確保できるという点をメリットとして挙げています。
今回の研究成果は「Applied materials&interface」に掲載されました。
(出所:韓国・ChosunBiz、2017年7月17日付け内容)
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