<韓国:IT事情>メタマテリアルを用いた太陽電池の高効率化
電荷が発生して動く電荷移動(CT・charge transfer)は、半導体の動作原理で最も基本的な役割を占める現象です。太陽電池などの光電素子では、光を吸収した光活性層物質で発生した電子‐正孔(electron-hole)ペア(励起子)が移動した後、電子と正孔に分かれ、電子は陽極、正孔は陰極に集まって電流を生み出します。
梨花(イハ)女子大のウ・ジョンウォン教授の研究チームは、フランス・日本などの共同研究者とともに、多層構造の特殊なメタマテリアルを半導体基板として活用することにより、電荷分離度(charge separation)を2.4倍に、励起子が分離されず、電子‐正孔ペアとして維持されている時間(励起子寿命)を1.7倍に増やすことに成功しました。
今回の研究で、励起子寿命は、励起子周辺の誘電率を下げると増加することが明らかになりました。
研究チームは、「今回の研究で、メタマテリアルを用い、励起子周辺の誘電率を下げることによって、励起子寿命を伸ばす事ができた。このような制御原理は、素子の電力生産効率を画期的に高める可能性がある」と述べています。
今回の研究成果は「Nature Materials」2017年6月5日のオンライン版に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年6月12日付け内容)
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