<韓国:宇宙>実験室で「宇宙の誕生」を検証する方法が明らかに
ソウル大学は、物理天文学部のフィッシャー教授の研究チームが、ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)(*1)を用い、インフレーション理論の正当性を確認する方法を考案したことを明らかにしました。
インフレーション理論は、宇宙が誕生した時、最初はゆっくりと大きくなり、ある瞬間に光よりも速く急膨張して、再びゆっくり膨張したと考える理論で、宇宙の誕生を説明する標準モデル「ビッグバン理論」が説明していない部分のほとんどを解決し、ビッグバン理論を成熟させたとする評価を受けています。
一方、インフレーション理論は「超プランク領域問題」と呼ばれる他の難題を発生させました。
インフレーション理論は、宇宙誕生直後、10のマイナス32乗秒という短い時間に、宇宙が光の60倍を超える速度で膨張したと考えますが、この膨張の規模があまりにも大きいため、インフレーション理論が正しいとするならば、現代物理学が説明できる最小の領域「プランク領域」よりも小さいところから宇宙が始まったと考えざるを得ず、これがインフレーション理論の検証を困難にしていました。
フィッシャー教授の研究チームは、双極子モーメントを持つ原子や分子となった極低温の量子気体を、絶対0度に近く冷却して得られたボース・アインシュタイン凝縮体で、インフレーション理論を確認する方法を考案し、コンピュータシミュレーションまで終えました。
今回の研究成果は「Physical Review Letters」に掲載されました。
(*1):数十万個の原子が同一の量子状態となって凝集したもの
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年4月11日付け内容)
(参考:日経サイエンス)
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